후리가나로 읽는 일본 고전
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
国枝 史郎의 八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,664자 · 323화면
そうです向こうの林の中で岩太郎さんと逢ったのです。そうして俺はこの方と暫時無駄話をしましたっけ」
「そうです」
と岩太郎は感謝の眼を上げ、
「……恋を失った口惜しさに俺は頭の毛を掻きりながら林の中を走っていました。その時ヒョッコリあなた様にお目にかかることが出来ました。俺は一眼あなた様を見た時すぐに懐かしく存じました。それで俺は何も彼も――山吹との恋のことや、その恋が今日破れたことまでお話ししたのでございます」
「そうそうあの時のあなたというものはまるで狂人のようでしたね」
妙な人は打ち案じながら、
「けれど暫時俺を相手に無駄話をしておられるうちに次第に心が和みましたな。……さて、話は変わりますが、ひとつ俺は山吹さんに物語を聞かせてあげようと思う。それは決してあなたにとって損の話ではありません。いかがです、お聞きなさいますか?」
「どうぞおきかせくださいますよう」
柔順に山吹は云ったものである。
「……第一番に云って置きたいことは俺が旅行家だということです。――俺は肥前の長崎にもおりまた大坂にもおりました。また京師にも名古屋にもあらゆる所におりました。もちろん江戸にもおりました。