후리가나로 읽는 일본 고전
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とねがわのあゆ
利根川の鮎
佐藤 垢石
佐藤 垢石의 利根川の鮎(とねがわのあゆ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,875자 · 10화면
流れの変壊は、その川に棲む魚類の運命を支配する。この結果は、特に鮎と鱒とに災いしたと思う。
ああ、利根の清流は今はもう想い出の川となった。鮎と鱒が盛んに漁れたのは、昔の話である。けれど、水源地方に聳える山々の姿は、私の少年のときと変わりはない。
私の想いのなかに残る利根の水。鮎や鱒やハヤの姿ばかりではないのである。父の釣り姿、母の慈愛とが永く永く映っているのである。私が十一、二歳のころであったと思う。四月下旬の淡い雪代水が奥山から流れてくる時が、我が地方では春蚕の掃き立ての季節であった。
蚕の飼育に備えるために、村の人々は蚕蓆を利根の清流へ洗いに行った。私の家でも母と姉と私と三人で、蚕蓆を車に積んで利根の河原へ行ったのである。相模や伊豆の暖かい地方では四月下旬といえば、水が温んで流れは冷たくないが、利根川の水源地方の山々は七月下旬まで雪に埋もれているために、四月上旬から六月下旬までは毎朝上流から雪代水が流れてくる。
その雪代水の冷たいこと、つかれば足も斬られるばかりだ。母と姉は、膝上まで裾を巻くって利根の浅瀬へ浸り、足で流れに蚕蓆を踏んでいる。すると、母の白い腿も姉の腿もみるみるうちに、緋牡丹のように紅くなった。