후리가나로 읽는 일본 고전
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ひみつ
刺青・秘密
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 刺青・秘密(ひみつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,935자 · 66화면
いつも正面の鳥居の方から社殿を拝むだけで、恐らくパノラマの絵のように、表ばかりで裏のない、行き止まりの景色のように自然と考えていたのであろう。現在眼の前にこんな川や渡し場が見えて、その先に広い地面が果てしもなく続いている謎のような光景を見ると、何となく京都や大阪よりももっと東京をかけ離れた、夢の中で屡々出逢うことのある世界の如く思われた。
それから私は、浅草の観音堂の真うしろにはどんな町があったか想像して見たが、仲店の通りから宏大な朱塗りのお堂の甍を望んだ時の有様ばかりが明瞭に描かれ、その外の点はとんと頭に浮かばなかった。だんだん大人になって、世間が広くなるに随い、知人の家を訪ねたり、花見遊山に出かけたり、東京市中は隈なく歩いたようであるが、いまだに子供の時分経験したような不思議な別世界へ、ハタリと行き逢うことがたびたびあった。
そう云う別世界こそ、身を匿すには究竟であろうと思って、此処彼処といろいろに捜し求めて見れば見る程、今迄通ったことのない区域が到る処に発見された。浅草橋と和泉橋は幾度も渡って置きながら、その間にある左衛門橋を渡ったことがない。