후리가나로 읽는 일본 고전
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ひみつ
刺青・秘密
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 刺青・秘密(ひみつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,935자 · 66화면
街道の地面は、さながら霜が降った如く真白で、その上に鮮かな磯馴松の影が、路端から這い出した蛇のように横わっている。松と影とは根元のところで一つになっているが、松は消えても影は到底消えそうもないほど、影の方がハッキリしている。影が主で、松は従であるかのように感ぜられる。その関係は私自身の影に於いても同じであった。じっと彳んで自分の影を長く長く視詰めていると、影の方でも地べたに臥転んでじっと私を見上げている。私の外に動くものはこの影ばかりである。
「私はお前の家来ではない。私はお前の友達だ。あんまり月が好いもんだから、ついうかうかと此処へ遊びに出て来たのだ。お前も独りで淋しかろうから、道連れになって上げよう」
と、影はそんな事を話しかけているようにも思われる。
私はさっき電信柱を数えたように、今度は松の影を数えながら歩いて行った。街道と波打際との距離は、折々遠くなったり近くなったりする。或る時は浜辺をひたひたと浸蝕する波が、もう少しで松の根方を濡らしそうに押し寄せて来る。遠くを這っている時はうすい白繻子を展べたように見えるが、近くに寄せて来る時は一二寸の厚みを持って、湯に溶けたシャボンの如くに盛上っている。