후리가나로 읽는 일본 고전
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ちよこ(に)
千世子(二)
宮本 百合子
宮本 百合子의 千世子(二)(ちよこ(に))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,249자 · 31화면
(一)
外はしとしとと茅葦には音もなく小雨がして居る。
千世子は何だか重い考える事のありそうな気持になってうるんだ様な木の葉の色や花の輝きをわけもなく見て居た。ピショ! ピショ! と落ちる雨だれの音を五月蠅く思いながら久しく手紙を出さなかった大森の親しい友達の処へ手紙を書き初めた。
珍らしく巻紙へ細い字で書き続けた。
蝶が大変少ない処だとか。
魚の不愉快な臭いがどこかしらんただよって居る。
とか云ってよこした返事を丁寧に馬鹿正直な位に書いた。
三日ほどしたらいらっしゃいとも云ってやった。
白い無地の封筒に入れたプクーンとしたのをすぐ前のポストに入れに自分で出かけた。
中へ落ちて行くのを聞き届けてから一寸の間門の前に立って、けむった様な屋敷町を見通した。
近所に住んで居る或る只の金持の昔の中門の様な門が葉桜のすき間から見えたり、あけっぱなしの様子をした美術学校の学生や、なれた声で歌って行く上野の人達のたまに通るのをジーット見て居ると、少し位の不便はあってもどうしても町中へ引越わけにはいかない、なんかと思った。
入りしなに郵便箱をあけると桃色の此頃よく流行る様な封筒と中実を一緒にした様なものが自分の処へ来て居た。