후리가나로 읽는 일본 고전
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ちよじのおどろき
千代次の驚き
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 千代次の驚き(ちよじのおどろき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,413자 · 19화면
男という男は、みんな、うわべはいろいろだけれど、心底は同じものだと、あたしにも分ってきました。だからあたし、どんな人も、ほんとに好きにはならないと、そう決心していました。村尾さんだって、そうです。決して好きになったわけじゃありません。ただ少し、気懸りにはなっていましたが……。
それも、近い頃のことです。あの方のお母さんが亡くなられて、百ヶ日もたってからだったでしょう、急に、しげしげいらっしゃるようになり、しまいには、いつづけなさることさえありました。
「僕はどうせ、病気で死にかかって、危く拾いものをした命だし、母親も見送って、気にかかる者もないし、これからの生涯をどんなにぞんざいに使おうとかまわない。実にさっぱりした気持だ。」
そうかと思うと、また――
「ねえ、千代ちゃん、もしもの時には一緒に死んでくれないか。君と一緒なら、僕はいつでも死ぬ用意をしてるよ。」
そんなのが、酒の上での他愛のない調子で、にこにこ笑っていらっしゃるんだから、ちっとも張合がありませんでした。けれど、その裏に、何だか気になるものがありました。何だろうかと、あたしさんざん考えたあげく、お金のことらしいと思いました。