후리가나로 읽는 일본 고전
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ちくまがわのスケッチ
千曲川のスケッチ
島崎 藤村
島崎 藤村의 千曲川のスケッチ(ちくまがわのスケッチ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 81,668자 · 164화면
見物の中には突き飛ばされて、あおのけさまに倒れた大の男もあった。
「それ早く逃げろ、子供々々」
皆な口々に罵った
「巡査も随分御苦労なことですな」
「ほんとに好い迷惑サ」
見物は言い合っていた。
暮れてから町々の提灯は美しく点った。簾を捲上げ、店先に毛氈なぞを敷き、屏風を立て廻して、人々は端近く座りながら涼んでいた。
御輿は市町から新町の方へ移った。ある坂道のところで、雨のように降った賽銭を手探りに拾う女の児なぞが有った。後には、提灯を手にして往来を探すような青砥の子孫も顕れるし、五十ばかりの女が闇から出て、石をさぐったり、土を掴んだりして見るのも有った。さかしい慾の世ということを思わせた。
市町の橋は、学校の植物の教師の家に近い。私の懇意なT君という医者の家にも近い。その欄干の両側には黒い影が並んで、涼しい風を楽んでいるものや、人の顔を覗くものや、胴魔声に歌うものや、手を引かれて断り言う女連なぞが有った。
夜の九時過に、馬場裏の提灯はまだ宵の口のように光った。組合の人達は仕立屋や質屋の前あたりに集って涼みがてら祭の噂をした。この夜は星の姿を見ることが出来なかった。