일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちどり

千鳥

鈴木 三重吉

鈴木 三重吉의 千鳥(ちどり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,951자 · 41화면

아오조라 문고

床の横の押入から、赤い縮緬の帯上げのようなものが少しばかり食みだしている。ちょっと引っ張ってみるとすうと出る。どこまで出るかと続けて引っ張るとすらすらとすっかり出る。

自分はそれをいくつにも畳んでみたり、手の甲へ巻きつけたりしていじくる。後には頭から頤へ掛けて、冠の紐のように結んで、垂れ下ったところを握ったまま、立膝になって、壁の摺絵を見つめる。「ネイションス・ピクチュア」から抜いた絵である。女が白衣の胸にはさんだ一輪の花が、血のように滲んでいる。目を細くして見ていると、女はだんだん絵から抜けでて、自分の方へ近寄ってくるように思われる。

すると、いつの間にか、年若い一人の婦人が自分の後に坐っている。きちんとした嬢さんである。しとやかに挨拶をする。自分はまごついて冠を解き捨てる。

婦人は微笑みながら、

「まあ、この間から毎日毎日お待ち申していたんですよ」という。

「こんな不自由な島ですから、ああはおっしゃってもとうとお出でくださらないのかもしれないと申しまして、しまいにはみんなで気を落していましたのでございますよ」と、懐かしそうに言うのである。自分は狐にでもつままれたようであった。