후리가나로 읽는 일본 고전
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なんぽうゆうしん
南方郵信
中村 地平
中村 地平의 南方郵信(なんぽうゆうしん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,899자 · 42화면
売薬行商人というのは、黒い詰襟の服を着て、手風琴を鳴らしながら、毎年春と秋との季節にこの村に現われる、村の娘たちの人気が良過ぎるので、
「いっぺん、痛い目に会わさんならん」
と、青年団の幹事たちに、よりより協議されている男であった。
春草の燃えたった千両坂の土堤にかがんで、ゼンマイやモチクサなどをつんでいる孤独なお浜の姿を見かけるようになったのは、それから間もないことである。その頃では豆腐屋の二階には、長友先生という中学を出て間のない若い代用教員が住んで、お浜は坂下の杉林のなかに、小さなトタンぶきの家を建てて住んでいた。
坂は村から奥地へ行く国道の重要な地点に在る。だから赫土のゆるい坂径には、木炭や、肥料やを積んだ荷馬車や、小売商人やを乗せた自転車がわりに頻繁に通る。馬車の響や、自転車の姿に気がつくと、白い胸をはだけたお浜は、あばら屋のなかからしどけない姿でとびだしてくる。そして、誰彼の見さかいもなく、男たちに抱きつく、という噂である。
しかし、お浜がほんとうに好きなのは、代用教員の長友先生である。お浜は大抵日に一度は小学校の校庭へゆく。そして、栴檀の樹の根に腰をおろし、窓の外から授業中の先生を眺めては、一人でにやにや笑っている。