일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なんきょくき

南極記

久生 十蘭

久生 十蘭의 南極記(なんきょくき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,753자 · 35화면

아오조라 문고

ここでは、他の諸大陸ではありえないようなさまざまな奇異なことが起る。一例をあげると、南極の内陸は、雨量(ここでは雪だが)の少ない点で、アフリカの沙漠地帯に匹敵するという意外な事実がある。一九〇粍から五〇〇粍くらいまでしかないから、一年の間に空から降る雪は、わずかに二十糎(約七寸)の氷の厚さを加えるにすぎない。これは海岸に近い氷堤上のことだが、内陸では、いろいろな形の氷河になって運び去られるので、堆積する量はそれよりもまだ少ない。のみならず、降雪はかならず暴風中にはじまるから、雪はすべて吹雪のかたちになり、積もるより吹き飛んでしまうほうが多い、そのため南極大陸の景観は、年々歳々、いささかも変化しないという、ふしぎなことがもちあがる。一九一一年にアムンゼンやスコットが見た陸地のかたちは、百年前にロスやウェッデルが見たものとまったく同じである。ロス海の近くにある小さな湾に鯨がたくさん泳いでいたのでシャクルトンが一九〇一年に「鯨湾」という名をつけたが、そのときの沿岸のスケッチは、九年後にアムンゼンが見たものとすこしも変りはない。暴風も、雪崩も、氷山も、吹雪も、幾万年の過去から未来まで、毎年、おなじような現象が繰返されているにすぎない。