후리가나로 읽는 일본 고전
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さんぐうがえり
参宮がえり
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 参宮がえり(さんぐうがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,325자 · 15화면
「宿屋じゃありませんよ、ただ陸へあがって歩きたいですよ」
「道の不案内な処は油断がならんよ」
「なに、こんな狭い処じゃ、迷うてもそれほどのことはありませんよ」
「お前が往きたけりゃ、往っても良いが、足もとがあぶないぞ」
「往っても良いなあ、ちょっとその辺を見て来ましょうか」
しかし、忰は女を離れて遠くへ往く気はしなかった。父親は最後の飯に土瓶の茶を入れて喫った。
「海の中へ落ちんように、気を注けて往って来い」
「往きましょうか」
「それなら往け、しかし、つまらんものを買うちゃいかんぞ」
「なにも買やしませんよ」
「それならちょと往って、その辺を見てすぐ戻って来い」
「往って来ます」
忰は云いがかりじょうすこしでも陸へあがって来なくてはならなくなった。彼はそこにあった草履を引っかけて橋板に足をかけたが、女はどうしているだろうかと思ってちょと見た。暗い艫の間に白い顔が見えていた。忰は親しそうなその顔に何か云おうとしたが、云うのがきまりが悪いのでそのままむこうへ渡って往った。
「おい、よく気を注けんといかんぞ」
父親の云う声がした。
「大丈夫ですよ」
忰は父親よりも女に聞いてもらいたいと云うような気もちで、返事をしいしい崖の上へあがった。