후리가나로 읽는 일본 고전
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ふるきミニエチュア
古き小画
宮本 百合子
宮本 百合子의 古き小画(ふるきミニエチュア)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,298자 · 140화면
激しい感情がこみあげて来、スーラーブは、ふいと天幕を出た。
もう朝日も高く昇った。高地の裏から疎らな樹林をとおして射す澄んだ日光で、草の葉の露はかがやき、絶間なく動き廻る兵卒等の腰に短剣のつかがキラキラした。樹木の間につながれて夜を過した馬がつややかな背やたてがみに日を受け、楽しそうに鼻を鳴しながら、古い落葉の敷いた地を掻く。歩き廻っているうちに、スーラーブの頭に閃くように或ることが思い出された。彼は、急に活々した挙止で、丁度糧秣の袋を抱えて来かかった一人の兵卒を呼びとめた。「おい。――貴様、イランの捕虜の居処を知っているか?」男は、少し妙な眼でスーラーブの顔を見、ざらざらした声で得意げに答えた。
「知っていますどころか。ゆうべわしらの隊で、奴を揶揄(からか)って大笑いしました」
「すぐ此処へつれて来てくれ」スーラーブは、抱えている糧秣に目をとめた。
「いいからそれは置いて行って来い。私が分けてやる」
男は、そこへ袋を下し、左脚を引ずるようにして陣の後方に去った。スーラーブは、左手で重い袋を引ぱり、樹木の根かたに置いてある箱に、なかの麦粒をしゃくい出した。