일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

ふるいど

古井戸

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 古井戸(ふるいど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,433자 · 43화면

아오조라 문고

先夜、庭の暗がりで向き合った時、心のどこかに殺意が動きかけたことを、彼は後になってはっきり思い出した。気持が欝積してくると、今にも何かが破裂するかも知れないような気がした。夜分、松木が階下の室に控えていたり、同じ屋根の下に眠っていたりするのへ、意識が働きかけてゆくと、彼はじっとしておれない衝動を感じた。

そういう危い気持から遁れるために、彼はしきりと光子を求めた。何だかヒステリックなそして晴れやかなものを持ってる光子に、彼は次第に深く囚えられていった。恋愛でもなく、憐憫でもなく、訳の分らない感情だった。

「お父さんを好きですか。」

「嫌いよ。」

「お母さんは。」

「好きでも嫌いでもないわ。」

そして眼をきらきらとさせる光子を、彼は膝の上に抱いてやった。

「私がどこかへ行こうと云えば、どこへでもついて来ますか。」

「ええ、いくわ。」

「どんなところへでも。」

「ええ。」

二人で遠くへ逃げ出すのが唯一の途かも知れない、などと彼は考えた。然しまた、松木に対する訳の分らない憎悪の念が、却って彼を家の中に引止めた。

松木が生きてる以上は……と彼は歯をくいしばった。

そして彼が自分一人の気持に悶えているうちに、光子は急に病気になって、寝ついてしまった。