후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 吸血鬼(きゅうけつき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,554자 · 381화면
併し、いくら逃げ隠れたところで、賊は館内から一歩も出られぬことは確だ。出口という出口には、厳重な見張り番が残してあったのだから。
捜索は執拗に続けられた。張りぼての岩をめくり、板張りの床をはぎ、人の隠れ相な隙間を探し廻った。
そして、無駄な捜索が、殆ど一時間も続いた頃、どこからか、けたたましい叫び声が響いて来た。
「オーイ、オーイ」と声を限りに呼んでいるのは、小林少年だ。
何事が起ったのかと、一同が声をたよりに駆けつけて見ると、小林は、菊人形の舞台の外の、薄暗い廊下に立ってしきりと、天井を指さして、譫言の様に、
「文代さんが、文代さんが」
と口走る。そこからは、巨大な丸天井の内側が一目に見えるのだが、その天井を支えた、輻射状の鉄骨に、何かしらブラ下っているのが薄ボンヤリと、小さく見える。確に人間だ。しかも洋装の婦人である。
菊人形の舞台全体を覆うて、青空の感じを出す為めに、一面の空色の布が張りつめてあったから、直接の光線はなかったけれど、少し青味がかった、もやの様な光りが、巨大な丸天井を、奇怪な夢の景色の様に、ぼかしていた。
べら棒に大きな、傘の骨みたいに、輻射状に拡がった鉄骨を、じっと見つめていると、フラフラとめまいがする様だ。