일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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こっきょう

国境

黒島 伝治

黒島 伝治의 国境(こっきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,336자 · 21화면

아오조라 문고

そして、また、ルーブル相場がさがってきたと話した。

「さがれゃ、さがって、こちとらは、物を高く売りつけりゃええだ。なに、かまうこっちゃねえだ」

呉清輝は、実際、かげにかくれてこそこそと、あぶない仕事をやるために産れてきたような男だった。してはならぬ、ということがある。呉は、そのしてはならぬことを、かげにかくれて反対にやってみせる、それに快よさを覚えるようなたちの男だ。掏摸が一度、豪勢な身なりをしている男の懐中物をくすねて鼻をあかしてやると、その快味が忘れられず、何回もそれを繰りかえし、かっぱらう。そして、そのことのおもしろ味を享楽する。彼は、ちょうど、その掏摸根性のような根性を持っていた。

密輸入商人の深沢洋行には、また、呉清輝のごとき人間がぜひ必要なのであった。

深沢は、シベリアを植民地のように思って、利権を漁って歩いた男だ。

ルーブル紙幣は、サヴエート同盟の法律によって国外持出しを禁じられていた。そこでまた、国外から国内へ持ちこむこともできなかった。旅行者は、国境で円をルーブルに交換して行く、そして国外へ出る時には、ルーブルを円に交換してもらう。