후리가나로 읽는 일본 고전
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とちにかえる
土地に還る
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 土地に還る(とちにかえる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,523자 · 22화면
東京空襲の末期に、笠井直吉は罹災して、所有物を殆んど焼かれてしまいました上、顔面から頭部へかけて大火傷をしました。そして暫く病院にはいっていましたが、退院後は、郵便局勤務の同僚の家に寄寓して、引き続き郵便局に勤めました。
彼の火傷は大きな痕跡を残しました。額から頬へかけて、顔の左半面、皮膚が引きつり、その中央に、打撲の跡があり、耳がちぢれ、耳の後ろに太い禿げがありました。それから、左眼の瞼がひどく損傷して、全くあかんべえの眼になっていました。むくれ上った瞼の裏側がいやに赤く、むき出しの大きな目玉がいやに白く、両方相俟ってぎょろりとして、物の底まで見通すかと思われるような眼差しでした。――その火傷の跡は、現代の外科医術を以てすれば、或る程度の修復は出来るそうでありましたが、手術を受けるほどの余裕は、あらゆる点で、笠井直吉にはありませんでした。戦争の焼印として、彼はそれを自分の肉体の上にじっと負いました。
この火傷の跡に対して、殊にあかんべえの眼に対して、人々が取る三つの態度に、笠井直吉は気付きました。或る人々は、なにか珍らしい物でも発見したかのように、それをじっと眺めました。