후리가나로 읽는 일본 고전
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ちじょう
地上
島田 清次郎
島田 清次郎의 地上(ちじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 175,250자 · 350화면
鶴子は明朝までの約束で出かけてしまっていた。お幸と時子はさっきの二人づれの客が風采の好いのを見て、そのとき電話で招びかけて来た座敷を断わって出たのだが、お客は静かに酒を酌させるだけで愛想一つ言わずにじきに帰ってしまった。お幸と時子はそれが不快で不平であった。
「ほんとにわたしあんなお座敷へ出るんじゃなかった、つまらない」と時子が答えた。お幸は細口の金の煙管にゆっくり煙草を填めて、ゆっくり鼻から、格好のよい円味を帯びたすぐれた鼻から、紫の閃きのある煙をすうっと吐き出した。煙は彼女の活々した顔面を洗うように昇ってゆく。ふっくらと重厚さを見せたいちょうにゆった髪が彼女の容貌を異常に強烈に生気あらしめている。彼女は時折下の眼縁と鼻の根本のところに皺をよせて、擽ったい顔をした。(彼女は静かに坐っている暇に、数知れぬ男を、浮いた恋で欺した記憶に伴う滑稽な、いかに男が馬鹿であるかをまざ/\表わしたような場面を想い起こしていつもくすぐったい顔をするのだ。)そして時々、金と銀の平打の簪で頭を小刻みに掻いた。時子は時子でこうしているつまらなさを種々な取りとめもない淫奔な妄想にすごしているらしかった。