후리가나로 읽는 일본 고전
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ちずにないまち
地図にない街
橋本 五郎
橋本 五郎의 地図にない街(ちずにないまち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,139자 · 32화면
「さあ、この辺でしばらくぶらぶらしていれば、そのうちに誰かが着物を持って来てくれるはずだ」
そこは日比谷公園の、元の図書館の裏にあたる木立の中であった。老人はそう呟いて傍のベンチに腰を下ろした。
公園もこのあたりになると、ちょっと幽邃な感じがして、遊歩の人の姿もきわめてまれである。早春のあわい日影が、それでも木の間を通して地上に細かな隈を織り出していた。寺内氏は同じく老人の横に腰を下ろして、何故このあたりをぶらぶらしていれば、そんな物好きな人が着物を持って来てくれるのかと、そのことを老人に訊ねようとした。
と、その時である。何か慌しい気配が二人の背後に起こったと思うと、
「おい!」
がさがさ! と木立から音がして、二人の目の前に不思議な人間が現われたのである。しかも、その手には抜き放たれた短刀が光って見えた。
「頼むから君の服をくれ、代わりに僕のこれを――嫌なら嫌といえ、さあ早くだ!」
その男は株屋のどら息子といった様子をしていた。三十前後の眼尻の切れあがった、何様一くせあり気な面魂である。後から誰かに追いかけられてでもいる態度で、もう一度、
「早くしろ、頼む」