후리가나로 읽는 일본 고전
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さかたのばあい
坂田の場合
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 坂田の場合(さかたのばあい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 14,335자 · 29화면
――だが彼のことについては話が別になる。
坂田は、銀行から担保の公債を受戻し、残りの一万円をそっくり相場に投じた。全く、拾ったも同様な金で、全部すってしまっても構わないという肚があったので、どんなにでも強気に出られたし、運もよかった……尤も、俺がついていたためではあるが。
そこで、その帳簿の数字というのは、云わば無から湧いて出た金なのである。それを点検しながら坂田が憂欝になっていくのは、どう思っても俺の気にくわない……。俺は甘ったれた声で彼に話しかけてみた。
「どうです、愉快じゃありませんか。無から有を生ずるって、このことですよ。」
彼はちょっと眉をあげたきりで、何の返事もない。
「無から有を生じ、次に、有から有を生ずる。金儲けの秘訣はそれですよ。私が云った通りでしょう。金をためるには、他の手段によらないで、金そのものをふやさなければいけない。これは真理ですよ。うまくいきましたね。」
「うまくいきすぎてる。」
気のない返事だ。何か他のことを考えてるらしい。
「いや、そうばかりも云えませんよ。策戦がよかったんです。そら、ここを御覧なさい。随分あぶなかったじゃありませんか。