일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ばいしょくかもなんばん

売色鴨南蛮

泉 鏡花

泉 鏡花의 売色鴨南蛮(ばいしょくかもなんばん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,926자 · 28화면

아오조라 문고

一

はじめ、目に着いたのは――ちと申兼ねるが、――とにかく、緋縮緬であった。その燃立つようなのに、朱で処々ぼかしの入った長襦袢で。女は裙を端折っていたのではない。褄を高々と掲げて、膝で挟んだあたりから、紅がしっとり垂れて、白い足くびを絡ったが、どうやら濡しょびれた不気味さに、そうして引上げたものらしい。素足に染まって、その紅いのが映りそうなのに、藤色の緒の重い厚ぼったい駒下駄、泥まみれなのを、弱々と内輪に揃えて、股を一つ捩った姿で、降しきる雨の待合所の片隅に、腰を掛けていたのである。

日永の頃ゆえ、まだ暮かかるまでもないが、やがて五時も過ぎた。場所は院線電車の万世橋の停車場の、あの高い待合所であった。

柳はほんのりと萌え、花はふっくりと莟んだ、昨日今日、緑、紅、霞の紫、春のまさに闌ならんとする気を籠めて、色の濃く、力の強いほど、五月雨か何ぞのような雨の灰汁に包まれては、景色も人も、神田川の小舟さえ、皆黒い中に、紅梅とも、緋桃とも言うまい、横しぶきに、血の滴るごとき紅木瓜の、濡れつつぱっと咲いた風情は、見向うものの、面のほてるばかり目覚しい。