후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면
その甥の背後にくっつくようにして、はじめて見る、快活そうな細君がいた。彼は明日こちらへ到着するペンクラブのことが、新聞にかなり大きく扱われていて、彼のことまで郷土出身の作家として紹介してあるのを、この家に来て知った。
「原子爆弾を食う男だな」と兄は食卓で軽口を云いだした。が、少し飲んだビールで忽ち兄は皮膚に痒みを発していた。
「こちらは喰われる方で……こないだも腹の皮をメスで剥がれた」
原子爆弾症かどうかは不明だったが、近頃になって、兄は皮膚がやたらに痒くて困っていた。A・B・C・C(原子爆弾影響研究所)で診察して貰うと、皮膚の一部を切とって、研究のため、本国へ送られたというのである。この前見た時にくらべると、兄の顔色は憔悴していた。すぐ側に若夫婦がいるためか、嫂の顔も年寄めいていた。夜遅く彼は下駄をつっかけて裏の物置部屋を訪ねてみた。ここにはシベリアから還った弟夫婦が住居しているのだった。
翌朝、彼が縁側でぼんやり佇んでいると、畑のなかを、朝餉の一働きに、肥桶を担いでゆく兄の姿が見かけられた。今、彼のすぐ眼の前の地面に金盞花や矢車草の花が咲き、それから向うの麦畑のなかに一本の梨の木が真白に花をつけていた。