후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면
……固疾に絡まる哀しい夢をみたので、彼の心は茫然としていたが、くるんでいる毛布の妙に生暖かいのがまた雨の近い徴のように想えた。暫くすると、また明け方の夢が現れた。
ぎっしりと人々の押込められた乗合自動車が緩い勾配をなした電車軌道の脇を異常な緊迫感で疾走している。そこは郷里の街の一部で、少し行くと河に出る道だということが先程から彼にはわかっている。が、そういうことを考えている暇もなく、いきなり烈しいもの音の予感に戦く。忽ち轟音とともに自動車が猛煙につつまれた。人々はことごとく木端微塵になっている。それなのに、彼だけがひとり不思議に助かっている。おおらかな感銘の漾っているのも束の間で、やがて四辺は修羅場と化す。烈しい火焔の下をくぐり抜け、叫び、彼は向側へつき抜けて行く。向側へ。この不思議な装置の重圧する機械はゆるゆると地下を匐い、それ故、全身はさかしまに吊されながら暗黒の中を匐って行く。苦しい喘ぎと身悶えの末、更に恐しい音響が破裂する。ここですべては消滅し、やがて再び気がつくと、彼はある老練な歯科医の椅子の上に辿り着いているのであった。
――その日、彼はそれらの夢を小さな手帳に書きとめておいた。