일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

なつのはな

夏の花・心願の国

原 民喜

原 民喜의 夏の花・心願の国(なつのはな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 152,816자 · 310화면

아오조라 문고

スイッチを入れてみると、忽ち狂おしげな軍歌や興奮の声が轟々と室内を掻き乱した。彼は惘然として、息を潜め、それから氷のようなものが背筋を貫いて走るのを感じた。苛酷な冬が来る、恐しい日は始ったのだ。――彼は身に降りかかるものに対して身構えるように、じっと頑な気持で畳の上に蹲っていた。日の暮れる前から何処の家でも申合わせたように雨戸を立ててしまった。黒いカーテンを張りめぐらした部屋ではくつくつと鳥鍋が煮えていた。「こんな大戦争が始ったというのに、鳥鍋がいただけるとは何と幸なことでしょう」と若い女中のたつは全く浮々していた。が、妻は震駭のあとの発熱を怖れるように愁い沈んでいた。

押入の奥から古びた英語の参考書を取出して、彼はぼんやり眺めていた。久しく忘れていた英語を憶い出そうとするように、あちこちの頁をめくっていると、ふと昔の教室の姿が浮ぶ。円味を帯びた柔かな声で流暢にリーダーを読み了った先生は、黒い閻魔帳をひらいて、鉛筆でそっと名列の上をさぐっている。中学生の彼は息をのみ、自分があてられそうなのを心の中で一生懸命防ごうとしている。先生の鉛筆は宙を迷いなかなか指名は決まらない。