후리가나로 읽는 일본 고전
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なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
山川 方夫의 夏の葬列(なつのそうれつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 60,161자 · 122화면
「ほんと。気がらくだったね」
山口は煙草が好きだったが、ぼくはきらいだった。当時のぼくら――動員中に工員なみにその配給を受けたりしたぼくたちには、大人たちに憧れ、その真似をして無理に煙草を吸わねば、と考えたかつての子供たちとは違って、その煙草を拒否する大人なみの権利さえも、同時に配給されていたのだ。ぼくらは、代用品にはちがいなかったがちゃんと一人の「大人」として待遇され、だから「大人」を軽蔑する資格があると信じてもいたのだった。家からそっと盗んできたという手巻き煙草をうまそうにふかしながらの山口と、ぼくは毎日のようにそんな結論を交換しあって日を送っていた。いまから見ればいささか滑稽とも思われようが、しかし、ぼくらは大真面目だった。――ぼくらは、たぶん大人でも子供でもなかったのだし、おたがいにそれを自覚していた。
彼は、髪をぼくに一カ月ほど先んじてのばしはじめていた。その粗悪な黒いスフの制服の胸は薄っぺらで、色の生白い小さな顔は、まだどう見ても、「思い出の若き日の写真」ふうの少年のそれであった。髭になる生毛の最初の兆しもなく、蝋のように青白くなめらかな削げた頬に、唇だけが染めたように赤く分厚いのだ。