일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なつ

夏

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 夏(なつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,046자 · 13화면

아오조라 문고

河の流れをたどって行く鉛筆の尖端が平野から次第に谿谷を遡上って行くに随って温泉にぶつかり滝に行当りしているうちに幽邃な自然の幻影がおのずから眼前に展開されて行く。谿谷の極まるところには峠があって、その向う側にはまた他の谿谷が始まる、それを次第にたどって行くといつの間にか思わぬ国の思わぬ里に出て行く。

去年の夏は研究所で油の蒸餾に関する実験をやった。ブンゼン燈のバリバリと音を立てて吹き付ける焔の輻射をワイシャツの胸に受けながらフラスコの口から滴下する綺麗な宝石のような油滴を眺めているのは少しも暑いものではなかった。

夕方井戸水を汲んで頭を冷やして全身の汗を拭うと藤棚の下に初嵐の起るのを感じる。これは自分の最大のラキジュリーである。

夜は中庭の籐椅子に寝て星と雲の往来を眺めていると時々流星が飛ぶ。雲が急いだり、立止まったり、消えるかと思うとまた現われる。大きな蛾がいくつとなくとんで来て垣根の烏瓜の花をせせる。やはり夜の神秘な感じは夏の夜に尽きるようである。

(昭和五年七月『大阪朝日新聞』)

三 暑さの過去帳

少年時代に昆虫標本の採集をしたことがある。