후리가나로 읽는 일본 고전
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よるのちょう
夜の蝶
山本 周五郎
山本 周五郎의 夜の蝶(よるのちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,345자 · 21화면
一
一
本所亀沢町の掘割に面した百坪ばかりの空地に、毎晩「貝屋」という軒提灯をかかげた屋台店が出る。貝を肴に酒を飲ませるのと、盛りのいいぶっかけ飯が自慢で、かなり遠い町内にも名が知られていた。
車屋台のまわりを葭簀で囲い、その中に白木の飯台と腰掛が置いてある。屋台の鍋前にも腰掛があり、そこにも三人くらいは掛けられるから、客のたて混むときには十二、三人は入ることができた。――掘割の向うは公儀の御米蔵で、堀沿いにずっと土塀が延びているし、うしろは佐渡屋、丸伍、京伝などという大きな問屋が並んでいる。もちろん、みんな板塀の裏手が見えるだけで、夜になると燈も漏れず、あたりはひっそりと暗くなる。
もう三月中旬だというのに、かなり冷える或夜のこと――
午後から雨もよいになったせいか、夕方のたて混む時刻が過ぎると、「貝屋」は珍しくひまで、九時をまわる頃には、常連の飲む客が四、五人だけになった。担ぎ八百屋の竹造、大川端の土屋の船頭の勇吉、この二人は古い地つきの友達らしく、どちらも二十八、九になる。二人の前に、飯台を挾んで向合っているのは表の佐渡屋の蔵番で、年は五十六、七だろうか、本名は六兵衛というのだが、いつも酔っているので「ずぶ六」