후리가나로 읽는 일본 고전
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よるのちょう
夜の蝶
山本 周五郎
山本 周五郎의 夜の蝶(よるのちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,345자 · 21화면
二
「家へお帰んなさい。家でみなさんが心配しているから」こう云って、外へ送り出そうとした。女は与平の手をふり放した。
「そんなことを云ったってきくもんじゃねえ」と六兵衛が云った。「その病気の出ているときには放っとくよりしようがねえんだ。いまにお梅どんが来るだろうから、うっちゃっとくがいい」
「あんまり親切にすると抱きつかれるぜ」勇吉がそう云って笑った。
「だいじょうぶよ、おじさん」女は与平に笑いかけた。「あたし、なんにもしやあしないわ。ただ、この坊やをあの人に見せるだけよ。あたし自分のすることぐらい、わかってるわ。ねえ、ちょっとでいいからあの人に逢わせて」
女は両手を(まるで赤児でも抱いているように)胸のところで輪にし、それをやさしく揺りながら飯台のほうへいった。
「しようがねえなあ」与平は鍋の前へ戻りながら云った。「おめえたち悪くからかっちゃあいけねえぜ。わけがわからなくなってるんだから、そんな病人をからかうのは罪だぜ」
二
「近所の娘さんか」と旅装の客が声をひそめて訊いた。彼は女のほうは見なかった。
「この表の京伝という麻問屋の娘ですよ」と与平が云った。「いつもは温和しいんだが、月の障りの前後になるとおかしくなりましてね。