일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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よるのくつ

夜の靴

横光 利一

横光 利一의 夜の靴(よるのくつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,056자 · 213화면

아오조라 문고

飛騨地方では白痴が生れると、神さまが生れたといって尊崇するということだが、そういう地方も一つは在って良いものだ。

九月――日

別家、久左衛門の家には、機械工として熟練抜群の次男が工場解散となって都会から帰って遊んでいる。年は本家の白痴と同年だ。白痴の天作が一家の生計を支えた中心であるときに、別家では反対であるということが、二家の間に少し均衡を失いかけて見える。久左衛門の次男は、十三のとき以来ひとり都会に出ていたので、農事を今からすることは不可能だ。長男がこの弟の無職を憂い顔で、砂利を積んだ牛車を運び、駅からの真直ぐな路を往ったり来たりしている。麻疹で亡くした子供の初盆をすませたばかりの頬に、鬚がのびている。若い嫁は柔順に壁土を足でこね、ひたひたと鳴るその足音の冷やかさに驟雨が襲って来る。虫の声声が昂まる。

参右衛門の広い家には誰も人がいない。薪のくすぶっている炉の傍に、薬湯がかかっていて、蝿が荒筵の条目を斜めに匐っているばかりだ。梨の炉縁の焼け焦げた窪みに、湯呑が一つ傾いたまま置いてある。よく洗濯された、継ぎ剥ぎだらけの紺の上衣が、手擦れで光った厚い戸にかかり、電灯がかすかに風に揺れている。