후리가나로 읽는 일본 고전
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よるのくつ
夜の靴
横光 利一
横光 利一의 夜の靴(よるのくつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,056자 · 213화면
実際、これさえあれば――私は全くこんなことに興奮するほど、日日の生活が不安だったのだろうか。しかし、たしかに、釣餌の小海老を発見してからは私は勇気が出て来た。手で受ける半透明の海老一寸のこの長さは、焔を鎮める小仏に似て見える。何と私はこのごろ汎神論的に物が仏と映るのだろう。日本の思想はいつもここで停止して来たようだ。
今、この村にとってもっとも必要なものはだい一に米、以外には塩と布切れだ。清江が今朝早くから家を出たまま、一度も姿を見せぬのは、隣村の早米の田を持つある家へ、稲刈に行っているからだと、妻は云った。
「もう稲刈か。」と私はおどろいて訊ねた。
参右衛門たちには食べる米がないので、自分の家の収穫時まで喰いつなぐ米を、早米の田を持つ家の稲を刈り、そしてそこから借りるのだとの事である。なるほど、そういう自由な借米法があれば、周章てずともすむわけだと思った。無理な供出の不足を補うために、こうして他人の田の厄介になりつつある農家は非常に多いそうだが、それはとにかく、今年の米は早くも田から出て来たのだ。敗戦の底から地のいのちの早や噴き湧いて来ている目前の田畑が、無言のどよめきを揚げ、互いに呼びあうように見える。