후리가나로 읽는 일본 고전
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
織田 作之助의 夜光虫(やこうちゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 66,871자 · 134화면
しかし、跡形もなかった。焼跡に佇んで、途方に暮れているうちに、ふと細工谷の友人のことを想いだした。
「そうだ、今夜あそこで泊めて貰おう」
そう思って、やって来たのだが、裸の娘を拾った今は、もう頼って行けそうにもなかった。
深夜、停電している家へ、そんな娘を連れて行って、泊めてくれとは、さすがに云えなかった。自分ひとりなら、無理も云えるのだが、といって、娘を追い返すわけにもいかない。
宿なしの悲しさが、土砂降りの雨のように小沢の心に降り注いで来た。
「困ったなア……」
小沢は眉毛まで情けなく濡れ下りながら、呟いた。
長い間、雨の中を傘なしで歩いて来たので、下着を透して毛穴まで濡れていた。五月だが、寒く、冷たい。
「しかし、この娘の方がもっと寒いだろう」
ガタガタ顫えている娘の身ぶるいを感ずると、少しでも早く雨をしのぐところを探してやりたかった。
「本当に家へ帰らないの……?」
娘はうなずいて、
「帰れません」
小さな声で言った。
「どこか宿屋はないかな」
「阿倍野の方へ行ったら、あるかも知れません」
娘が言った。大阪訛だった。
宿屋へも構わずついて来るつもりらしい。