후리가나로 읽는 일본 고전
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おおいなるもの
大いなるもの
宮本 百合子
宮本 百合子의 大いなるもの(おおいなるもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,492자 · 7화면
大いなるものの悲しみ!
偉大なるものの歎き!
すべての時代に現われた大いなるものは、押並べて其の輝やかしい面を愁の涙に曇らして居る。
我々及び我々の背後に永劫の未来に瞑る幾多数うべくもあらぬ人の群は、皆大いなるものの面をみにくき仮面もて被い、其を本来の面差しと思いあやまって見ると云う痛ましい事実を抱いて居る。
何物を以ても抗し得ぬ時代の潮に今日も明日もとただよいながら、しばしば私に迫り、ややもすれば私の四肢を、心臓をまひさせ様とした力強い潮流の一つを見出した。
深い紺碧をたたえてとうとうとはて知らず流れ行く其の潮は、水底の数知れぬ小石の群を打ちくだき、岩を噛み、高く低く波打つ胸に、何処からともなく流れ入った水沫をただよわせて、蒼穹の彼方へと流れ去る。
此の潮流を人間は、箇人主義又は利己主義と云って居る。
私は、此の箇人主義、利己主義に大いなるものの歎嗟の吐息を聞いたのである。
此の声を聞き得たのは私一人のみかもしれない。
或る人々は、その様な事は誤った事だと、私の此れから述べる事をひていするかもしれない。けれ共、私は自分の五官の働きを信じて疑わない。