후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,722자 · 286화면
最初の口火を切った駒井甚三郎の影は、この勇者の前に隠されて、一人もそれを讃仰するものはないのです。
駒井もまた、この豪傑が不意に現われて、自分の解決すべき難関を、一気に解決してくれた幸運をよろこびましたから、讃仰者のないのを恨みとする理由はありません。こういう場合においては、第一声を切ることが勇者の仕事で、その出端を利用して敵を驚かして、一気に取挫ぐことは、喧嘩の気合を知っているものにはむしろ容易いことですが、駒井は閑却されて、あとから出た豪傑が人気を独占しましたけれど、駒井にとっては不足どころではありません。
こうして一時無頼漢どもに占領されていた船の甲板は、再び良民の天下となって、乗合船そのものの平和な光景が回復されました。
駒井能登守は思いました。これはこれ一場の喜劇のようなものだが、一代の風潮もこの通りで、進んで身を挺するの勇者さえ現わるれば、悪風を退治するのはむしろ容易いことで、悪は本来退治せられるがために存在するものであるのに、怯懦な人間が、それにこわもてをして触ろうとしないから、彼等が跋扈するのだ……本当の勇者が一人出づれば一国がおこる、というようなところまで考えさせられました。