후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,272자 · 313화면
「いけない、ああいうのはいけない、度胸を据えてかかっている仕事には、武田信玄でも手が出せない」
「ホントに焦ったい」
酔わない時は、神尾にもどこか鷹揚なところがある。お絹はそれを焦ったがっている。
「ねえ、あなた、今日は七兵衛の奴が珍しくどこかへ出かけてしまいました、その後に鎧櫃が置きっ放しにしてありますから、見るだけでも見て下さい」
「鎧櫃がどうしたの」
「その鎧櫃の中に、見せびらかしの金銀がいっぱい詰め込んでありますのを、置きっ放して七兵衛の奴が、珍しく早朝からどこかへ行きましたから、見るだけ見ておやり下さいと申し上げているのです」
「見たって仕方がないじゃないか、金銀は見るものではなくて使うものだ、使えない金銀は、見たって仕方がない」
「あれだ、あれだから、お殿様は仕方がない――」
とお絹は神尾主膳の膝をつっつきました。酒乱の兆さない時の神尾主膳は、つっつきたくなるほどに気のよく見えることもある。
「仕方がないったって仕方がない――無い袖は振れないから」
「有り過ぎるのです、鎧櫃の中には、金銀のお銭が有り過ぎて唸っているじゃありませんか。天の与うるものを取らざれば、禍その身に及ぶということを御存じはありませんか」