후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,272자 · 313화면
ある者は型から入って自由の妙境に遊び、ある者は野性を縦横に発揮して、初めて型の神妙を会得する。
無論、宇治山田の米友のは、その後者に属するものであります。
今や、米友は陶然として、その型に遊ぶの人となりました。
こんなことは滅多にないのです。かつて、甲府城下の闇の破牢の晩に、この盛んなる型を見せたことがありましたが、あの時は如法暗夜のうちに、必死の努力でやりました。今夜のは月明のうち、興に乗じて陶然として遊ぶのです。
その型の美しさ――すべての芸道において、型の神妙に入ったものは、先以て美しいというよりはいいようがない。
惜しいことにこの美しさを見るものが、月と、水とのほかにはありません。
米友が陶然として型に遊んでいる時、その型を破るものは道庵先生の声であります。
「こいつは堪らねえ、こいつは堪らねえ」
道庵が突如として、うろたえ声で騒ぎ出しましたから、米友が、一議に及ばず馳せ参じました。
見れば莚の上に眼を醒ました道庵は、合羽をかなぐり捨てて頻りにうろたえている。
聞いてみると、今まで自分がいい心持で眠っているところへ、不意に何物か現われて、鼻っぱしをガリガリと噛ったものがあるから、驚いて跳ね起きたところだという。