후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 159,272자 · 313화면
「殿様は、この船へ自分の好きな人だけをのせて、異国へおいでなさるそうだが、もし、大海の中で無人島へでも吹きつけられたら、そこで国を開くとおっしゃっていたが、新しい国を開いてそこに住んだら、圧制というものがなくて、住み心地がいいだろうなあ」
一人が言うと、
「そりゃ面白かろう。だが、新しい国を開いたところで、女というものがなければ種が絶えてしまう、いったい殿様は、この船に女をのせるつもりだろうか、どうだろう」
というような話をしているところへ、駒井がひょっこりと姿を現わしたものだから、みんな居ずまいを直して、
「殿様がおいでになった」
船大工の和吉が立って駒井の傍へ来て、小腰をかがめながら、
「殿様、ビームの付け方をもう一度、検分していただきとうございます」
この男は豆州戸田の上田寅吉の高弟で、ここの造船係の主任です。師匠うつしで、今でも駒井に向って、殿様呼ばわりをやめない。和吉が殿様呼ばわりをするものだから、総ての大工、職工が、殿様呼ばわりをする。
そこで、駒井は和吉の先導で、船の船梁を見て廻る。その前後、日本唯一の西洋型船大工の棟梁といわれた上田寅吉の伝えを受けて、加うるに駒井甚三郎の精到な指導監督の下に、工事を進めているこの船。