후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,962자 · 145화면
しかしながら、白骨へ来て以来の、お雪ちゃんの知合いには、曾て弥兵衛さんという人は一人も無いから、これは、このたびの山道に、臨時にやとった山の案内者か、強力かなにかであろうと思われます。
「わたしは弥兵衛さんだとばっかり思ったら、やっぱり弥兵衛さんでしたわ」
「はい、その弥兵衛でございますよ」
と言って、至りついた老人は、お雪ちゃんの前へ来ると、腰をのばして、反りを打ち、そこへ突立ってしまいました。
「まあ弥兵衛さん、どうしてこんなところへおいでなすったの」
「はい、わたしは、ここからあんまり遠くないところに住んでいるのでございますよ」
「そうですか、ちっとも知らなかったわ」
「はい、はい」
お雪は突立っている弥兵衛老人の頭から爪先まで、今更のように極めて興味深く見上げたり、見下ろしたりしていました。
「ほんとうにそっくりよ」
「何でございます」
「弥兵衛さんに、そっくりよ」
「何をおっしゃります」
どうも、ばつの合わないところがあります。弥兵衛さんが、弥兵衛さんにそっくりだということは、別段、念を押すには及ばないことだろうと思われるのに、お雪には、これは容易ならぬ興味の的であるようです。