일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,467자 · 168화면

아오조라 문고

三十六

明日は、どう間違っても、仙台湾に無事入港という確信を得た駒井甚三郎は、全く重荷を卸した喜びに打たれました。

この重荷を卸したというのは、いろいろの意味にとることができます。自分の創製が全く試験済みになったというのと、自分の船によっての前例の無い処女航海を無事に果したという成功の喜び――それから最近、この船を王国か民国か知らないが、自分たちの新しい領土をめがけての世界的遠征の可能、そんなような複雑した感情で、前の晩、駒井甚三郎は、船長室の燈明を以て前途の光明を見つめつつ、なお油断なく船を進めて行きました。

しかし、一つ越ゆればまた一つの難所――がある、人生にはそれからそれと連続して関門のあることを、駒井は決して忘るることができません。一つの成功の次には他の魔障、しからずんば難関がもう待ち兼ねて目白押しをしている。

駒井は、船の構造と、航海の技術との第一成功と共に自信は得たけれども、この処女航海の内容全部が、必ずしも成功とは言えないことを認めずにはおられません。失敗とは言わないが、工業として、技術としては成功のみが全部ではない、人心の和というものが一大事であることを、忘れるわけにはゆきません。