후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,467자 · 168화면
むしゃむしゃと食事にありついている熊の子を米友はじっと眺めて、
「ムクはそうじゃなかったんだぜ」
と吐息をつきました。
物心を覚えてから、ムク犬は主人のお君に向っても、米友に向っても、かつて食事の催促をした覚えがない、まして不平がましい挙動を示したこともない。それは長い間には、自分たちも苦労をしたり、ムクにもずいぶん苦労をさせたが、ムクそのものがかえって我々に苦労をかけたことは一度もない。我々に苦労をかけないのみならず、我々が憂うる時は、我々と共に憂えたが、我々が喜ぶべき時に、彼を喜ばせなかったことが幾度あるか知れない。
それだのに、ついぞあの犬が、不平と反抗とを表現したことがあるか。あれほどの豪犬だから、食物だって世間並みでは不足があたりまえだのに、世間並みの栄養を給してやることができなかったばかりか、旅路の間では、二日も三日も食わせずに置いたようなこともないではなかったのだ。
その時、いつ、あいつがひもじい顔をして見せたことがあるか。食物の催促をして見せたことがあるか。今、この子熊がしたように、ガツガツして居催促を試みたことがあるか。
十二