후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 254,021자 · 495화면
それは、以前の白衣の女とは似ても似つかぬ、黒衣覆面にして、両刀を帯び、病めるものの如き痩身の姿でありました。
こうなってみると、この覆面の姿も、断じてお花さん狐の変化の一つではない。深夜に餌食をあさる鬼の一種には相違ない。
しかし、鬼だの、変化だのといっても、今時は相当に気が利いていなければならぬ。俗に気の利いたお化けの引込む時分という諺がある。引込みの大事なのは、花道の弁慶と、内閣の更迭のみではない。人間の世には戸籍のない化け物でさえも、引込みの時間が肝腎である。さいぜんの物凄い鬼女なども、いわば引込みの時を失ったばっかりに、食うべきものがうまうまと食われてしまった?
引込みを上手につけるということは、一面に於て自己の分を知るということであります。引込みのつかないということはおよそ醜態の極でありますが、分を知ることの聡明な人に限って、この醜態から手際よく免れる。
そこで、夜は悪魔の領土であり、昼は人間の時間である。
悪魔にも生存の権利がありとすれば、それは夜間に限ってのみ、食を漁るの時間を与えられる。
そこで気の利いたお化けは――お化けというものを仮りに悪魔の親類とみなして――己れの領土と時間のあまり切迫しない間に、手際よく後方機動の実をあげなければならない。