후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,374자 · 345화면
「あなたが昨夕、どこへも行かずに、おとなしく帰って下すったから、そのお礼心なのですよ」
と言ったから、神尾がははあと感づきました。なるほど、ゆうべ、お世辞にも、待ってる人があるからと言って、吉原附合いを断わって戻って来た、それがこの女は嬉しいのだよ。一人で置いて留守が心配だから、夜更けを押して帰って来た、その心意気を買ってるんだ。買われたこっちはくすぐったいものだが、買った当人の心意気は殊勝でないとは言わない。
女というものはこういうものなんだ。したい三昧をしつくしていても、べつだん悪い面はしなかったが、そのしたい三昧をあきらめて、お前のために帰って来た、と言われると、女は嬉しいのだ。何よりも嬉しいと見える。だからこの海千山千の代物が、貰いたての女房のような心意気を見せて、この不精者が、おしろいの手を水仕に換えて、輸入のテン屋を排撃して、国産を提供して、おれに味わわせようというのだな。
女というものはこれだ。あんまり現金過ぎて、くすぐったいけれども、可愛いところがあるよ。なるほど、女は喜ばすべきものだ、女を喜ばすには、金をやることもいいし、品物をやることもいいが、一番いいのは、お前に限ると言ってやることだ。