후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,838자 · 204화면
のマドロスの力に負うところが無いとは言えない状態なのだ。学問は無く、品性は下劣であるにしても、その世界中を渡り歩いて、海を庭とし、船を家としていた生活から生れた体験は、駒井が、書物や、学理や、少々の実験からではどうしても得られないものを、こいつが豊富に持っていました。それは今度の初航海に充分に証明されたところであり、本人が、こっちにとってそれほど貴重な経験を、マドロスとしてあたりまえの働きとして、鼻にかけるところまでは行ってなかったらしいが、駒井にとって、天の助けとも、渡りに船とも、なんとも有難い唯一無二の羅針となったものです。この男がいなかろうものなら、船は、難破せしめるほどのことはないにしても、ここまでの無事廻航はまず覚束ない。或いは途中、不意にどこかへ寄港して、腹帯を締め直す必要はたしかに存していたと見なければならぬ。同時に、不意の寄港がもたらすところの不便や、誤解や、さまざまの障碍を想像すると、マドロスにあっては尋常茶飯の労務が、駒井には無くてならぬ依頼――船中の誰よりも、むしろ船の次には、その男が必要と認めないではいられなかったと思われる。