후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,838자 · 204화면
あさましい女もあれば、たとえばお松さんのような、立派な強い素質を持った女性もある――とでも言えば言いたかったのでしょうが、そうも言わないでいると、お松が、
「それから殿様、わたくしは申し上げに出ようと思っていたところでございますが、ただいま船の修理に来ておいでなさる人たちの中に、珍しい人が一人おりますのでございます」
「それは、どういう人ですか」
「この近辺の人ですが、日本でははじめて、この世界中を一巡りして来た人の仲間のうちの一人だそうでございます、世界の国々を経巡って来たことに於ては、あのマドロスさんなんぞより、遥かに世間が広いらしうございます」
「ははア、それは耳寄りな話だ」
と言って、駒井甚三郎はわれながらはずむほどに身を乗出したというのは、今もいままで思いなやんでいた当座の問題――かけがえのない船の苦労人、思案の果てが、いつもあの不埒千万なマドロスの上に落ちて来るのが苦々しい限り。ところがこのマドロスに上越すところの海の苦労人が、現在自分の身近くにいる! という報告を、別人ならぬお松が聞かせてくれたのだから、駒井が夢かと驚喜の色を浮ばせるのも無理はありません。