후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,838자 · 204화면
三十
待ち焦るるほどの目の前へ、当人を連れて来られて見ると、再び駒井甚三郎が、一時は拍子抜けのするほど呆気に取られてしまい、
「ははア、君はいったい幾つなのですか」
と、とりあえず年を尋ねることが先になってしまったことほど、この当人は年寄中のヨボヨボでありました。遠洋航海ということから、マドロスの海風に吹き鍛えられた皮膚の色、図抜けて張り切った若い体格、そればっかり頭にあった駒井は、目の前にこのヨボヨボ老人を見せつけられて、やっとそれだけの文句しか出なかったものです。
しかし尋ねられた老人は、駒井にそんな思惑外れがあろうとは思われないから、抜からぬ顔で、
「はいはい、今年八十六でございます」
「八十六!」
で、駒井が全く苦笑いを抑えることができませんでしたが、でも、サラリと打解けて、
「そうですか、よくその年で達者に働けますね。そうして、君が世界中を廻って来たというのは、それは幾つくらいの時のことでしたか」
「え」
と言って、もじもじしたのは耳が少し遠いものらしい。八十六では耳の少し遠いくらいは無理はない、と思っていると、お松が代って、大きな声をして、