후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 368,567자 · 720화면
ところで、空寂と、沈静と、茫漠と、暗黒と、孤独とは、形の通りで、弁信なればこそ、仔細らしく耳を傾けて何物をか聞き取ろうと構えているように見えるものの、余人であってみれば、聞き取るべき一言もなく、澄まし込むべき四方の混濁というものの全然ない世界ですから、もし弁信の耳が、この間から何物をか聞き得たとすれば、それは彼の耳の中からおのずから起ってくる雑音を、彼自身が、自己妄想的に聞き操っているに過ぎないので、この点は、かの清澄の茂太郎が、反芻的に即興の歌をうたうのと同じことなのであります。
といっても、これを一概に妄想扱いにするのは心無き業です。
チチアンの眼より見れば、あらゆる普通の人間は、みな色盲に過ぎないそうであります。もし地上に特別の人があって、普通の人の見えない色を見ることができるならば、特別の人があって、特別の音を聞き出さないという限りはありません。
すでに特別の色を見、特別の音を聞き得る人がありとすれば、この普通の人の見得る世界において、普通以上の、或いは以外の世界を――つまり天国といい、地獄というような世界を見ている人がないとは言えないはずです。