후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠11
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 368,567자 · 720화면
浴槽の中でも、いつもとは違って、極めてしめやかに、話し込んでいると見えて、時々、湯の音がするだけのものでした。
湯を出てから、再び、以前の校訂室へつれて来るかと思うと、そうではなく、別に己れの室へ連れて来て、そこで、また、極めてしめやかな話しぶりです。
夜になると、例によって、炉辺閑話が賑わい出してきましたけれど、北原は面を出さないくらいですから、今日訪ねて来たという新来の珍客、名古屋の紅売りというのを、つれ出して、炉辺閑話に新しい興を添えようとするでもありません。
こんなことは、すこぶる違例で、それでも少なくとも池田良斎あたりには引合わしたろうと思われるが、良斎もすまし込んでいるものだから、紅売りという者の正体がまだわかりません。
かくて、その夜は更けて行きました。
その夜の白骨谷は満眼の月でありました。
三階の亜字の欄に立って、月にかがやく白骨谷を飽かず見入っているのはお雪ちゃんです。人は全く寝しずまって、物の気というものはありません。
お雪は、つくづくこれを美しいながめだと思います。
美しいだけでは言い足りないと思います。なんだか、悲しいような、奥深いような、言うに言われぬ心持で、白骨谷の深夜を、ひとり愛して、やみ難いことがしばしばあるのであります。