후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠16
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 268,946자 · 520화면
牛飼の少年は、質朴に、そうしてさかしげにお銀様に向って頭を下げて通り過ぎようとしました。
「奥様」といったのは故意か偶然か知らないけれども、昨今ではあるが、みんな自分の周囲の出入りの者、見知り越しの土地の人などが自分を呼ぶのに、この「奥様」という語を以てすることをお銀様が納得している。お銀様はむしろ令嬢として扱われるよりは、奥様と呼びかけられることを本望としているらしくも見える。
してみれば、この牛飼の少年も、多分、お銀様の新植民地の建前工作にあずかっている人数のうちの、家族の一人であることが推察されないでもない。ただ、不審といえば不審というべきは、こんな少年を、あの工事中のいずれに於てもまだ見かけなかったこと! この少年が鄙に似合わず、目鼻立ちの清らかなということにありました。
「ちょっとお待ち」
やり過ごして置いてから、お銀様が、何のつもりか、後ろからその少年を呼びとめたものです。
しかしながら、その子供は見向きもしないで、さっさと行ってしまいます。多分、お銀様から呼ばれた言葉が聞えなかったのでしょう。しかし、お銀様は強いて、声を高くして再びそれを呼び返そうとはしませんでした。