일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠16

中里 介山

中里 介山의 大菩薩峠16(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 268,946자 · 520화면

아오조라 문고

二度ではなかったのであります。

そういう時に米友は、しみじみと、銭というものの魔力を思い知らせられたことでありました。僅か幾文の銭がありさえすれば、自分たちはこの虐待と飢餓から救われることだ――銭があればいいなあ、と米友は、夜の寒空に軒端の縁に腰かけて尾上山つづきの星を数え、間の山の灯の赤いのを恨みわびながら明かしたことも、一晩や二晩ではなかったのであります。

しかし、そういう時に米友はお君のところへ相談に行くことをしなかったものです。お君へ相談に行けば、お君がまた気の毒がって身の皮をむいて身代りをしてくれるにきまっている。他の苦しみを自分が背負うのはやむを得ないが、それをまた背負いきれないで他に転嫁するということは、結局苦しみの盥廻しをするだけのことで、苦しみそのものの救いにもならないし、解消にもならないということを、米友はよく知っておりました。

そこで米友はガッチリと歯噛みをして飢えと寒さに顫えながら、曾て一度も苦痛の声を漏らしませんでした。しかしながら、そういう場合に大楼の店先などを通って、銭金を湯水の如くつかう人や、物売りの店棚でおいしい御馳走のにおいをプンプン嗅がせられた時など、彼もクラクラと眼がくらんで、フラフラと足が顫えることがありました。