후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠19
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠19(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 319,771자 · 617화면
妄執となって、一片の御回向下の人にされているとは、さりとは気が早過ぎる。
いや、こっちが気が早いのだ、朝霧といったところで、天下に一人や二人ではあるまい。あの時の朝霧は罪のない舞子で、ここで回向をされようというのは罪業深い過去仏のことだろう。
そんなことを考えて、竜之助は、ともかくも、この声のする方へ近づいて行くと、
「これはこれは、あなた様は、いずれにおすまいでいらせられまするか」
「高台寺の月心院に」
「ええ、何と仰せられました」
堂守の尼が聞き耳を立てました様子ですから、竜之助は重ねて、
「月心院の庫裡に、しばらく世を忍んでおりまするが、今晩、月がよろしいようですから、ついうかうかと出て参りました」
「まあ、その月心院の庫裡と申しますのを、あなた様は御承知の上でおすまいでございまするか」
「いや、何も知らない」
「それでは、お話し申し上げますが、その前に、おたずね申し上げて置きたいことは、あの庫裡の中で、夜分になりますると、毎夜、怪しい物をごらんあそばしまするようなことはござりませぬか」
「左様――」
と竜之助は、問われてはじめて思案してみたが、何を言うにも昨今のことで、しかも、同居は血の気の多い幾多の壮士共だから、特に、怪しいとも、怖いとも、感じている暇がないのでありました。