후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠3(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 214,131자 · 423화면
その途端に長持のいずれの部分かが、メリメリと裂けるような音がしたかと思うと、中からもがき出したのは一人の男。
それはちょうど、紺屋の藍瓶の中へ落ちた者が、あわてふためいて瓶から這い上るような形であります。面も着物も真黒でありました。
古い長持であったから、それで錠前も刎切れたものであろうけれど、それにしても中からそれを刎切るのは容易な力でありません。渾身の力を絞ってやっと蓋を跳上げて、箱の外へもがき出した一人の男は面も着物も、そっくりと紺屋の藍瓶へ漬けておいたように真黒くなっていました。そのもがき出す身ぶりによって見れば、両手を後ろへ廻して縛られた上に、両足をまた一つに絡げてこの中へ投げ込まれていたものと見えます。
竜之助は今しも鞘へ納めた手柄山正繁の刀を膝元へ引きつけたままで、ただそちらの方を見て坐っているばかりでありました。この刀は白鞘の刀ではありません。それは神尾が差しても竜之助が差しても恥かしからぬほどの拵えのある刀でありました。その刀をこころもち居合に取って、行燈の方向を少し避けるようにしたのは、ここに引寄せて斬って捨てようとの心構えに見えました。