후리가나로 읽는 일본 고전
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
中里 介山의 大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 185,112자 · 362화면
駒井甚三郎は、傍へ差寄って検べて見ると、すーっと額から眉間まで一太刀に引かれて、あっと言いながら、それを片手で押えて夢中になって、ここまで、よろめいて来たものと見えます。よろめいて来て、人の家の戸口と知って、刀を抛り出して、その手で戸を二つ三つ叩いたのが最後で、ここに打倒れて、そのままになったものに相違ないと思われます。
もはや、どうしようにも手当の余地はないと見た駒井甚三郎は、関り合いを怖れてそのまま戸を閉じて引込むかと思うと、そうでなく、提灯を持って、スタスタと柳橋の方へ進んで行きました。寅吉も、駒井が出て行くのに自分も隠れていられないから、甚三郎のあとを追おうとすると、
「寅吉、お前は危ないから出て来るな」
「殿様こそ、お危のうございますよ」
「出て来てはいかん、閾より出てはならぬと言うに」
甚三郎は寅吉を抑えて、表へ出さないようにして、自分だけは提灯をさげて橋の方へ出直しました。
閾の中にいて、戸の間から面だけを出した寅吉は、安からぬ色をして駒井甚三郎の後ろ姿を見送っているが、その心配のうちにも、また安んずるところがあるのは、それはこの殿様が、もとより武芸にかけて何一つおろそかはないが、ことに鉄砲にかけては、海内無双であるということを知っているからであります。